かつて私が小中学生の時にお世話になった先生から「引き継いで欲しい高校生の生徒がいるの。私ちょっと体調が悪くて…」とお電話をいただき、仰せの通りレッスンを開始して数か月後のある夜…
遅い時間に帰宅するとFAXと留守番電話に訃報が届いていました。
亡くなったのは先生?!
数か月前の電話では命に係わるような深刻なお話しぶりではなく、お若いし元気に復活なさるだろうと思っていました。
自分が間違って理解しているような気がして、本当に信じられず、何度も文面を読み返し、何度も留守電を聞き返しました。
後にご姉妹から伺ったのですが、突然の発病と大変な闘病生活の中でも弱音を吐かず、ギリギリまで自分を信じ、甘えず、音楽を信じ使命を全うされたそうです。
私に生徒さんを託すお電話をくださったのは入院直前だったとか…
先生が旅立たれた驚きと悲しみでいっぱいの中、いつも優しく穏やかだった先生の芯の強さに感銘を覚えました。
そんな思いがけないお別れから15年余りが過ぎました。
この夏、色々な条件が整い、今月末の土曜の午後、「我が恩師・西垣勝恵先生に捧ぐ」ピアノコンサートを開催します。
先生が亡くなり、ご愛用だったピアノをご家族がキリスト教会に寄贈され、そのチャペルで演奏いたします。
納める前にピアノの内部(弦やハンマーなど)はオーバーホールされたそうですが、ボディは当時のもの…
懐かしの楽器との再会、先生を偲び心を込めて演奏させていただきます。
ピアノを奏でる楽しさ、喜びを教えてくださった先生、そしてあの頃弾いたあの楽器に会いに行きます。