ピアノは左右の手でそれぞれ色々な役割を担い演奏しますが、片方の手が複数の役割を兼任する場合も多いのです。
2つ(またはそれ以上)のメロディーを紡いだり、メロディーと伴奏を奏でたり、バスのパートと伴奏を受け持ったり…と言う風に。
何と無くそれなりに弾けそうだから…と行き成り全部弾いてしまう人もあります。
本当にそれなりに演奏できていたら申し分ないですね!
でも、ちょっと待って…
それぞれのパートが独立して聴こえるように音の強さや音質、音色などを変えてバランスよく弾けている?
また、それぞれのパートの流れもスムーズ?
保続する音の長さが正しく保持され、アーティキュレーションも美しく効果的に弾けている?
弾いている本人にはそれっぽく聴こえていたけれど、実は随分いい加減だったりすることもあります。
それを防ぎ、より音楽的な完成度を高めるためにもパート練習とその組み合わせ練習が必要です。
先日、ブルグミュラーの25のエチュードのNo.13「なぐさめ」のレッスンはまさしくその良い例でした。
序奏の部分を例に練習方法を列記してみますと…
<右手の低声部と左手がハーモニーを、右手の高音部がメロディーを担っています>
まず、その3つのパートを役割にふさわしいタッチで別々に練習。
次に左手+右手低声部を組み合わせて溶け合った和音奏の練習をします。
そして右手のみの2声部をメロディーが際立つようにタッチに気を付けて弾きます。
いよいよ両手ですべてのパートを合わせますが、先に練習したことが生かされるように耳を澄ましてトライ!
生徒さんも楽譜に記された強弱記号は勿論、細かく指示されずとも自然なカンタービレでぐんと素敵なコンソレーションになってきました。
このように少し手間がかかりますが、その分、それぞれのパートに味わいが増し、表現力もUP!
効果倍増ですね!(笑)
丁寧な音楽づくりで心のこもった演奏を目指して欲しいと思っています。