ピアノの教則本や学習者向けの楽譜には作曲者が指示したもの以外の情報が掲載されているものが沢山ありますね。
例えば、速度、強弱、曲想、アーティキュレーション、運指など。
校訂者や出版社によって異なることもあって、その解釈に議論が分かれる場合も・・・
逆に原典版の楽譜でそれらが書かれていない場合もあり・・・
しかし、どちらにしてもその辺りは指導者が適切なアドバイスで解決して行けます。
今回は「小学校の音楽の授業でアンサンブルがピアノパートを担当することになったけど・・・」と生徒さんがちょっと困っていました。
と言うのは、楽譜に音符・休符以外書かれていないので・・・
これまでレッスンしてマスターした事柄や普段聴いている音楽などから自分の力で取り組み、ある程度表現できるのですが、ポップス系の楽曲で少し傾向が違ったようです。
どんな風に弾いているか聴かせてもらいました。
自力で頑張って弾いているのは誉めどころ!
ただ確かに改善要がいくつかありました。
まとめると次の通りです。
①独特の跳躍した音程の運指(指使い)
②タイが付いている所のリズムの処理
③4分の4拍子で4分音符が並んでいる部分が羅列になっている
④強弱や抑揚の無さ
文字で表現しにくいですが、アドバイスした内容を簡略化しますと・・・
①楽譜を小節ごとに区切って見ないで、ポジションの移動をどこでしたら良いか見極めて運指を決めます。
具体的に指番号を書き込みました。
②タイによって生み出されたシンコペーションを生かして、アクセントとタッチの変化を加えます。
実際に弾き比べます。
③ベースやバッキング(伴奏型)に自然な弾力を持たせてビート感を出します。
④他の楽器パートの編成や人数にもよりますが、構成(イントロ・Aメロ・Bメロ・サビ・エンディングなど)と、アンサンブル全体の中での主旋律か伴奏部かというパートの特性を意識し、音量や強弱法を工夫します。
レッスン後、おうちの方から「学校で弾く曲もレッスンしてもらった~。やった~!と嬉しそうに戻ってきました。」とラインをいただきました。
的確な練習法をマスターし、自信をもってアンサンブルに臨んでくれたら・・・と思います。