スペインの魂に息づく音楽

スペインの作曲家の作品をふたつYouTubeにUpしています。

 

1曲は「アンダルーサ」

1992年、グラナドス(25歳)が作曲した12曲から成る「スペイン舞曲」の中の1曲。

この曲集はスペイン音楽の様々なエレメントを背景にしつつ、グラナドスの独創性に溢れた作品であり、当時ヨーロッパ全土で絶賛され、作曲家として初の出世作となりました。

第5番に当たる「アンダルーサ」(アンダルシアの調べ)は「プライレーラ」(嘆き)ともタイトルが付けられていますが、グラナドスによるものでなく、出版社が名付けたものです。

ギターを模した伴奏と共に、アンダルシアの伝統であるフラメンコの足打ちや、手拍子が聴こえてきます。

情熱的でありながら、どこか哀しげなこの曲は、この舞曲集の中でもとりわけ有名になりました。

 

もう1曲は「アランフェス協奏曲」第2楽章

1939年、ロドリーゴ・38歳の作品。

ロドリーゴは3歳の時にジフテリアのために失明するも、後にピアノ、ヴァイオリン、作曲を学び大成しました。

スペイン内戦終結後、かつて新婚旅行で訪れた美しい古都アランフェスに夫婦で再び赴いた折、目の見えない彼は妻から街の様子を語ってもらいました。

そして、その惨状に大変な衝撃を受け、アランフェスとスペインの栄光と悲しみ、平和の願いを曲に込め、スペイン人の心である楽器「ギター」をソロに据え、オーケストラとの協奏曲を完成させました。

特に有名な第2楽章は、ロドリーゴ自身の個人的な想い(病に倒れた妻、流産で亡くした第1子に向けての神への祈り)も込められているようです。

また、その美しいメロディーに歌詞が付けられ、「恋のアランフェス」「わが心のアランフェス」も世界でヒットしました。

今回はそれらを元にピアノソロアレンジで演奏しました。