これまでクラシックピアノを学び、プログラムの軸に据えて演奏してきましたが、このYouTube演奏動画では様々なジャンルの作品にチャレンジしています。
実を申しますと、そのルーツは小学生時代にさかのぼります。
趣味でピアノを習い始めてから課題の曲以外のものも弾きたくなり、学校の授業で習った曲も自分のものにしたくなってきました。
小学校の音楽の教科書に掲載されている歌はメロディーと歌詞しかないものが多くて、先生が弾いているように自分も家で弾こうとしても、伴奏部がないので物足りない状態でした。
それで、学校で聴いて何となく憶えている和音やリズムを手掛かりにそれなりに弾いて楽しんでいました。
一方、当時流行していた歌謡曲やアイドルのヒットソングを耳を頼りに弾いてみたり…
以前のブログでも書きましたが、当時ピアノを習っていた児童が多くて、学校の音楽会(合奏や合唱)のピアノパートが回って来なかったため、クラス内でのイベントの際、希望者が何か披露する機会があり、私はピアノリクエストコンサートをしました。(笑)
内容は音楽の教科書の歌、有名なクラシックピアノ曲(その当時自分が弾けたもの)、ヒットソングなどから数曲ずつ選択して全て黒板に書き、挙手してもらって何曲か演奏するといったもの。
それをよくもまぁ、大胆にも決行したのです。
中学時代は友人からフォーク系やニューミュージックを弾いて欲しいと言われました。
ティーンエイジャー向けの月刊誌の付録についていたヒットソング集のメロディー譜とコードネームを頼りにして…
当時、理論もわからず手探りで伴奏づけしていました。
ちょっとしたユニットで弾いたこともあり、ギターの子から色々教えてもらいました。
また、教会に出入りするようになって、讃美歌を次々初見奏する機会を得て、四声体の構造や即座に弾くトレーニングを習う訳でもなく、実体験から自然に学ばせていただきました。
更に弾いてみたいクラシックのピアノ曲を聴くと実力以上の作品にも係わらず、楽譜を購入して勝手に弾いて悦に入ってました。
スロースターターの私は高校に入って専門的なピアノのレッスンスタートとなり、大学受験に向け練習していた中、ロック系のバンドをやっている連中に「ピアノをやってるんなら、キーボードも弾けるやろ?耳コピもできるよな?音源を聴いて弾いて!今度コンサートに出るから。」と有無を言わせない状態で「ご依頼」があり(笑)、付き合いました。
アマチュア高校生のことですら、練習時からはりきっていたのでしょう、スタジオで出すギター、ベース、ドラムにヴォーカルの爆音に驚きながら…本番はある市民会館の大ホールで何曲か演奏。
しかし、あの音量には耳が耐えきれず、またピアノの先生には秘密にしていましたが、何となく伝わって「受験生ですよ!」とお叱りを受け、それ以後は引退させていただきました。
今、思い返しても良い経験と思い出です。
大学では自分なりにクラシックピアノに打ち込んでいましたが、先輩の紹介でピアノラウンジでのアルバイトをすることになり、ポピュラーやイージーリスニングを弾きました。
リクエストに応えて弾かなければならない場面もありました。
何といっても演奏料をいただいてるわけですし、チップとして心付けくださるので、喜んでいただけるよう自分なりに工夫して弾いていました。
深夜ラジオの音楽番組で聴いたポピュラーオーケストラの音色やアレンジが先生になっていたのかも知れません。
しかし、何と言っても大学での専門はクラシックですから、その中心はあくまでバッハ、モーツァルト、ベートーヴェン、ブラームス、ショパン、シューマン、リスト、ドビュッシー、ラフマニノフ、プロコフィエフ…
一人の作曲家を掘り下げるだけでも一生かかってできるかどうか、それに様々な作曲家の様々な作品を学ぶのに余裕はありません。
卒業と同時に演奏活動をスタートし、オーソドックスなクラシックの作品にずっと向き合ってきました。
そうした中、長年続けてきたリサイタルでも今から10数年前より、スペインや中南米のクラシック音楽、そしてオリジナルアレンジによる映画音楽などを取り入れ、テーマを据えて私なりにプログラミング。
そして、今、YouTubeで更に自分の可能性を試みながら歩んでいます。
これまでに出逢った音楽、人、機会…
どれが欠けても成り立たない…と思いながら、自身の力は至らないながら、また大胆にもあくなきチャレンジ決行中です。
今回は杏里、MISIAのナンバーのカバーを気に入ってくださった方からメロディーラインのきれいな1曲としてリクエストいただいた「恋におちて-Fall in love」を取り上げました。
1985年リリースされた小林明子作曲・歌唱によるラブソング。
ドラマ「金曜日の妻たちへIII・恋におちて」の主題歌で伴侶のある人との恋愛のもどかしさ歌っています。
アレンジを練って楽譜を作成することを敢えてせずに、ヴォーカル譜と伴奏譜から直観的に即興演奏してみました。
早速コメント欄に「若者の流行り曲が溢れかえる今、世間に置いてきぼりをされているような私です(笑)。でも、阪本さんの美しいアレンジによるこの懐かしい曲、心に沁みてキュンとしました。また懐かしい曲を弾いてくださいね♪」と嬉しい言葉をいただき、またチャレンジしようと思っています。