今日の演奏動画は「黄昏のワルツ」
2000年~2007年に渡りNHKで放送されたドキュメンタリー番組のテーマ曲です。
作曲は大阪の豊中市出身の作曲家・加古隆。
東京芸大では三善晃に、パリ音楽院ではメシアンに師事し、ジャズ、クラシック、現代音楽の技法とセンスを駆使した独自の作曲スタイルを確立して、その作品や演奏で一世を風靡しました。
映像作品の音楽も数多く担当し、1995年のNHKスペシャル「映像の世紀」のテーマ音楽「パリは燃えているか」、1998年ベルギー映画「The Quarry」の音楽(モントリオール世界音楽祭・最優秀芸術貢献賞受賞)などをはじめ反響を呼んだ作品が並んでいます。
タイトルは知らなくても、曲を聴くと「あ!」と思うものが多いように思います。
また、新型ウイルスの影響で公開が延期されているようですが、直近では司馬遼太郎の「峠」を題材にした日本映画「峠 最後のサムライ」(2020年/松竹)の音楽を手掛けました。
さて、今回の「黄昏のワルツ」
様々な人々の生き方、その素顔に迫るドキュメンタリー番組のテーマ音楽でもあり、「悩みを抱えて生きる人々に勇気を出して生きて行こう」と言うメッセージが込められているそうです。
憂いや不安を抱き、もがきながらも前を向いて歩もうとする人間。
この音楽に人生の中で繰り返される心の揺れを感じます。
そして幾度となく押し寄せる波の中で、最後には決意と共に希望の光が射す様です。
まさしく今、人間の営みを阻むかのような事態が続いていますが、それぞれが知恵と勇気と希望を持って前を向いて行けたら…と思います。