カバーのカバー?

今日の演奏動画は「マスカレード」This Masqueradeです。

恋が終わるのを予感しながらも、孤独なゲームに迷う二人。

そんな虚しさをマスカレード=仮面舞踏会に例えて歌われます。

レオン・ラッセルの1972年の作品を翌年、カーペンターズがカバーしたヒット曲をピアノソロにアレンジしてお届けします。

故にカバーの更にカバーと言うわけです。(笑)

 

カーペンターズの楽曲は、この曲をはじめ、他のアーティストのカバーが多いのですが、兄リチャードのアレンジとピアノのセンスに、妹カレンの唯一無二の魅力的なヴォーカルで、独自の世界を創造してオリジナルのように響き、心に残りますね。

デビュー曲の「涙の乗車券」Ticket To Rideはビートルズ、2作目のシングルで全米第1位のなった「 遙かなる影 」Close to Youはバート・バカラック、同2位の「 愛のプレリュード 」We’ve Only Just Begunはロジャー・ニコルズ…と言うように。

他にもカバー曲で「 ふたりの誓い」For All We Know、「 雨の日と月曜日は」Rainy Days and Mondays、「 スーパースター」Superstar、「ハーティング・イーチ・アザー 」 Hurting Each Other、「 シング」 Sing、「愛は夢の中に」I Won’t Last a Day Without You、「プリーズ・ミスター・ポストマン 」 “Please Mr. Postman等々、有名なものが沢山あります。

 

勿論オリジナルの大ヒット作品「イエスタデイ・ワンス・モア 」 Yesterday Once More、「トップ・オブ・ザ・ワールド 」Top of the World、「オンリー・イエスタデイ 」Only Yesterday、「愛にさよならを 」Goodbye to Loveほか、時を経ても愛されている名曲揃いですね!

 

しかし実は…昔は「心地よくていいな…」と感じる程度の印象でした。

エラソーに講評しますと、健全で優等生的で品が良い。危うさが無くパーフェクトな仕上がり。

同時に、あまり面白みがなくて単調。教科書的(実際、音楽の教科書に掲載されていました)でドキドキ感が少ない。

それなのに「スーパースター」と「マスカレード」は、何故か気になっていました。(偶然ですが短調で雰囲気が違うかから?)

 

そして数年前のある時、色々なポピュラー音楽を聴きなおす機会があり、何とも言い表せないくらい耳に胸にジーンと来る歌声とサウンドに驚きました。

カレンは幅広い声域を持っていながら、最大の魅力を発揮するアルトのキーで、しっとりとした声質を駆使し、ドラマティックに歌い上げるわけでないのに人を魅了する魔力を感じました。

その才能を見事に見抜いて選曲し、更に名アレンジャー&プレーヤーとしてのリチャードの手腕も実に見事です!

 

6月にビリー・ジョエルの「ニューヨークの想い」のリクエストがあった際、もう1曲この「マスカレード」を希望されていたのでチャレンジしました。

「恋の終わりを感じながら、その思いを仮面で隠して、言葉少なく背中合わせにいる二人…」

メランコリック、ミステリアス、そして官能性まで見え隠れする…そんなイメージで弾いてみました。