今日、ベートーヴェンのソナタのレッスンで、和声感の違いによる表現をアドバイスしました。
強弱記号や発想標語の指示がなくても、それなりに変化、抑揚が必要ですが、ミスッチなく弾こうと言うのが第一義的になると、平板、単調になるので、余裕のあるテンポで弾いているうちにそれらを意識して、いろいろ試して表現を楽しむ練習をすると良いと思います。
和音でもアルペジオでもアルベルティバスの伴奏型でも…ともかく和声を担っているパートがどんな風に音の構成が変わっていくのか、進行の仕方をちょっと分析してみると、その味わいを感じることができます。
例えば元の調の和音から、借用和音(他の調の和音を借りてくる)を経ている所や、一時的に転調したようで、すぐ戻るところなど、微妙な変化に意味を見いだせると、他の作品にも役立つので要チェックです。
ただ臨時記号(♯や♭など)が増えた、減ったと言うだけでは無くて…。
そのような練習をしてから、魅力的なメロディーを乗せると、随分上手に聴こえます。(笑)
(ごく乱暴に言うと上手な伴奏で歌うと全体も何となく上手く聴こえるような感じ?)
すると、またメロディー自体も一層丁寧に扱おうと、自ら音を良く聴いて弾き方を工夫したくなるので、ますます表現が豊かに!
古典派の明晰な和声感から時代が進むにつれ、より色彩感や多様な和声を追求した作品が生み出されていきました。
しかし、ポイントを押さえた読譜と解釈をマスターしておけば、また新たな要素が加わった一見複雑な作品にも対応できるようになります。
色々な作曲家の色々な作品にチャレンジして楽しみを増やして行けたら良いですね。