目覚めの時

YouTubeにUPする曲について、先日、私のアドバイザー達から「X JAPANも良かったですが、Queenが聴きたい」と思わぬ提案が!

しかし、違和感はなく「やってみよう」と思えたのです。

 

私の小中高時代は勿論、ピアノの練習やレッスンの日々でしたが、その合間に他の友人や先輩からクラシック以外の音楽の楽しみを教えてもらった経験がありました。

マイケル・ジャクソン、アース・ウィンド・アンド・ファイヤー、アバ、ビリー・ジョエル、オリビア・ニュートン=ジョン…流行りましたね!

中でもイエスのキーボード奏者としても活躍したリック・ウェイクマンやクィーンは、クラシック音楽のテイストが根底にあるロックで他のバンドやアーティストと一線を画す魅力を感じていました。

ごくごく一般に思われいる「激しいだけの やかましい音楽」ではないのです!

特別大ファンと言う訳ではありませんでしたが、ロックなのに伝統的な側面があって新鮮かつ刺激的でした。

シンフォニックなサウンドや、ヴォーカルの歌唱力、オラトリオのようにばっちりハモったコーラスには鳥肌もので、バッハやモーツァルト、ショパンの香りを感じると親しみを覚えたものです。

 

また聴音や、我流のアレンジができたものですから、高校時代はバンドのキーボードを急に頼まれたりしたこともありました。

その当時のピアノの先生には内諸でしたが、いつの頃かどこからとも無くお聞きになったようで、呆れておられました。(笑)

 

今回、かつて聴いていて自分の中に潜在していた音楽が甦ったようで、嬉しく向きあいました。まるで眠りから覚めたようです。(笑)

チャレンジしたのは、クィーンの1975年のアルバム「オペラ座の夜」からの1曲、「ラブ・オブ・マイ・ライフ」です。

ボーカルのフレディ・マーキュリーが当時の恋人メアリー・オースティンとの関係が壊れて行く中で29歳の時、作詞作曲したと言われている美しく哀しい愛の歌です。

大スターとなる前から交流があり、個性的なフレディを広い心で理解し、華奢で繊細そうだけれど芯のしっかりした女性だったとか。

外見は大胆不敵で自信に満ちたフレディのデリケートで少し不安定な内面とは真逆だったようです。

去っていく恋人をずっと慕い続ける…と言う内容の歌詞ですが、実際はフレディに新しい彼が現れ、彼女の元を去ったようです。

矛盾した歌のようですが、フレディの中にあった彼女への懺悔と罪悪感が原動力になっていると解釈する人もいます。

この曲は大会場のコンサートライヴでフレディが促し、聴衆が心酔して大合唱になったころから、そのスタイルが定番になっていましたが、当初スタジオ録音されたオリジナルは、ピアノとハープが中心の伴奏で、フレディの切なく甘い歌声と、彼の愛したクラシック音楽のテイストに満ちています。

今回はそのオリジナルを元に演奏してみました。

 

フレディとメアリー…二人は恋人同士でなくなった後も深い信頼を寄せあい、彼が病の時も、45歳で死を迎える時も彼女はずっと温かく付き添い、遺骨は遺言で彼女だけが知るところに埋葬されたそうです。