柔軟さが大切ですね!
何をする時もそうですが、ピアノの演奏もしかり…
特に初歩の段階でそれらを身につけるよう努めると、グンと上達度合いが違います。
大人になってからスタートした方は、それら3つを柔らかく保つのは少し難しいかも知れませんが、それでもその方なりに心がけるとホントに正直に成果に出ます。
ポツポツしていた音が徐々に滑らかにつながり、綺麗なレガートで弾けるようになると、同じ音の配列でも全く聴こえ方が違ってきます。
そうなると弾いていても楽しさが違いますね!
よく誤解されがちなのは、手が小さいからピアノは向いていない、指が短いから弾けないだろう…と言うもっともらしい伝説。(笑〉
たしかに曲によっては、それらが大きく関係してくることがありますが、極端な場合で無い限り、大きさより、まず柔軟さが大切だと思います。
以前、ブログで作曲家ラフマニノフについて触れました。
ロマンティックで息の長い豊かな旋律線、濃厚で芳醇、陰影に富んだ和声、民族的な色彩を放つリズム…。
中でも作品に見られる幅広い音域、音程で構成されたハーモニーは、自身が2m近い長身で、手を開くと親指から小指まで27cmもあったと伝えられる並はずれた巨大な手の持ち主だったことが大きく影響しています。
ただ、それは大きいだけでなく、柔軟な関節を持ち、ダイナミックで幅広い音程の和音や跳躍を難なく演奏できたのです。
勿論、ピアノの鍵盤は従来、西欧人男性の手のサイズが基準になっているので、手の小さい人はストレッチ、奏法やレパートリーの工夫などが必要です。
しかし、ダヴィドヴィチ(ロシアのピアニストで、第4回ショパン・コンクールの優勝者)や、ラローチャ(スペインのピアノの女王と謳われた世界的ピアニスト)、日本のピアノ界の代名詞であった中村紘子さんら諸氏をはじめ、それを克服し大活躍した世界的ピアニストも!
そして歴史をさかのぼれば、ピアノという楽器の特性を存分に生かし、多彩な表現力と魅力に溢れた作品を残したピアノ音楽の代表的作曲家・演奏者であるショパン。
或る時、ショパンの手のレプリカ(石膏)に手の形を真似て重ねてみましたが、その小ぶりで華奢な手指に驚きます。
歴史に名を刻む、かのショパンの手より大きな私の手…広げれば親指と小指の間は1オクターブと3度(約22cm)に達するものの、それだけでは…(笑)
逆に大ピアニストでも、手指が大きすぎると、弾くべき鍵盤の隣まで引っ掛けてしまったり、黒鍵と黒鍵の間に指が挟まったり…と言う苦労話もあるとか。
どちらにしてもメカニズムとしては、関節の柔軟性、筋力、指の独立性が不可欠。
そして、指だけでなく、柔らかで安定した手首や肘、音の迫力を司る二の腕などトータルに備わってないと良い演奏に繋がりません。
そのあたりを常に意識して、練習に臨むと良いですね!