私の友の会が発足して以来、春の主催コンサート&パーティーの会場として毎年お世話になっているリーガロイヤルホテル大阪。
今年も5月末に開催予定でしたが、4月初め、残念ながら中止を決めました。
当初は、コンサートは麗しき「ザ・クリスタルチャペル」で、そして終演後のパーティーは移動して頂き、館内レストランにて開催していました。
友の会10周年を迎えてからはダイアモンドルーム、ペリドットなど素敵なバンケットにてコンサート・パーティーを同会場で通して開催する構成にして現在に至ります。
今日、アップする演奏動画は以前開催した折の「ザ・クリスタルチャペル」での演奏。使用するピアノはベーゼンドルファーのフルコンサートです。
コンサートではスタンウェイで演奏する機会が多く、勿論それぞれ個性があるわけですが、このピアノはまた独特のタッチと音色でした!
今回も2本立てで「雨だれ」と「月の光」・・・自然にまつわるネーミングの曲ですね!
まず、プレリュード 第15番 「雨だれ」。
24曲から成る壮大なプレリュード集(前奏曲集)を構築したショパンの作品からの1曲です。
ショパンは自ら作品に標題を掲げませんでしたが、作曲した背景やエピソード、楽曲の印象などからニックネームが付き、より親しまれるものが多いですね。この曲もそのひとつ。
パリで出逢った6歳年上の作家、ジョルジュ・サンド。
愛を育み2年、ショパンは胸の病を癒すため、社交界から逃れるように彼女と(前夫との)子ども達と共に温暖な地中海のマヨルカ島に赴きました。しかし、雨季には湿度と寒さに苛まれ、修道院に身を寄せながらも、カソリックの保守的な島の人々に未婚の二人の愛は快く受け入れられなかったと言われます。そして、外出中に嵐に見舞われて夜遅く帰ったサンドは、その日、不安と病の中で書き上げた作品を弾くショパンの姿を目にします。
近年、学者の検証により、このようなドラマ性を帯びたエピソードの真偽が問われているようですが・・・
曲中を通して雨音のように連打される同音は、やがて激しく強まり、ショパンの心身に及ぶほど巨大で不吉な死の影となって迫ってきます。
しかし、それもいつしか収まり、徐々に希望の光が射すまでに至ります。サンドの愛に包まれた安堵感のように・・・
私なりの「雨だれ」を聴いて下さい。